心身ともに、倒れたら止まらずに起き上がるまでやって1セット。倒れたままだと踏まれる

MIND

肉体的な意味でも精神的な意味でも、倒れたらいずれ起き上がる。

人として自然な動き。

その自然な動き、倒れる起き上がるにも色々なやり方があり、例えば

心身を痛めやすい倒れ方、次の動きにつなげやすい倒れ方

相手(心身の脅威、ストレスの出どころ)に背を向ける起き上がり方、脅威に目を向けつつも同時に全体を見渡す起き上がり方

など。

先日システマのワークショップで、倒れ方、起き上がり方、倒れる事自体をどう捉えるかを学びました。

身体と心は繋がっている事から、精神的な「倒れる・起き上がる」にも学んだ内容をつなげてみます。

最初に覚えるのは倒れ方

これまで格闘技未経験だった私は、2023年9月にロシア武術のシステマを始めました。

先日参加させてもらった、創始者の長子ダニール・リャブコ氏のワークショップを除きこれまでの練習はすべて屋外。

インストラクターの方からがっつり教えて頂く形としては、屋内のワークは初めて。

インストラクターさんいわく

最初に覚えるのは倒れ方で、ダメージを負いづらい・(相手および周囲の)脅威を減らす倒れ方を身につけるのが大事。

何故かというと、倒れるのが怖いと動くこと自体が怖くなるから。

だからどう動くかの前にまず倒れ方。

倒れた時にどこかが痛かったとしても、それは自分の身体のどこが緊張しているかを教えてくれているので、痛みは悪いものではない。

倒れるのも、ただ歩いたり立って動き回るのと変わりない。

肉体的にも精神的にも、ストレスを加えられると踏ん張って(つまり緊張を作って)耐えたくなるものですが、その場合倒された時のダメージが深刻になってしまいます。

理由は、緊張すると身体が固くなる、身体が固いと負担や衝撃が分散されにくくなるため。

hyakunenkai-nerima.jp

システマの考え方だと、打撃などのストレスを受けたとき立ったままではその衝撃を分散しきれない場合、無理して踏ん張らず緊張を抜いて倒れる事が推奨されます。

そして倒れる時は、後頭部(大事な部分、大事なもの)を手で守る。

精神面においても、緊張すると視野が狭くなります。

president.jp

人から好ましくない反応をもらう事や自分の試みにおいて望む結果が得られない事を「精神的打撃」と捉えるなら

それらの「打撃」を受け精神的に倒れる時も、踏ん張ろうとせず出来るだけ緊張を抜いて視野を広くとり柔軟性を保ち続ける。

視野を広くとることで、倒れる時に脅威、ストレス、その出どころだけに意識を集中してしまわないようにして

倒れる時は、頭(大事な部分、大事なもの)を守る。

孫子も宮本武蔵もブルース・リーも、柔軟性を保ち続ける意味で「水の如くあれ」と言っています。

ブルース・リーは

今、私は水を(全力で)突いたが、水は傷ついていない。

もう一度全力で突いたが、やはり傷つかなかった。

それから手にいっぱいの水を掴もうと思ったが、不可能だった。


ブルース・リーノーツ―内なる戦士をめぐる哲学断章

戦略学で博士号をもつ孫子研究家のデレク・ユアン氏は

(水の比喩は)戦略の実行中に一つのことに固執してしまうリスクを限定することが出来る…(中略)…単一の目的ではなく、多数の可能性を模索する能力を提供できる…

と言っています。


真説 – 孫子 (単行本)

心身はつながっているので、精神つまり心を柔らかく保つためには、身体の柔軟性も不可欠。

diamond.jp

固い身体が常態化すると、力みの抜き方、リラックスの仕方も忘れてしまいます。

起き上がる時は、相手(脅威、ストレスの出どころ)から目を離さない

武術的には倒れたら相手が踏みにくる前提なので、倒れる動きの流れをそのままにすぐ起き上がります。

そして起き上がる時は、相手(脅威、ストレスの出どころ)に目を向けながら、周辺視野で周りの状況も把握する。

精神的打撃により倒れて起き上がる時も、ストレスの出どころ・根本原因や周りで起こっている事に目を向けていないと、死角から追撃されてまた倒されます。

ただ止まらずに起き上がるだけではなく、現実を直視しながらその現実に応じた起き上がり方をする。

何かを試みて望ましい結果が得られず倒れてしまったら、その現実と根本原因を直視しながらしかしそれで何を得て今どんなリソースがあるのかを把握して次の試みの準備をする(起き上がる)。

肉体的にせよ精神的にせよ、その打撃が強いほど倒れ方にも起き上がり方にもスキルが必要とされるので、スポーツと同じで自動化するまで繰り返して慣らしていく。

倒れる事が怖くなくなるための学びでした!

感想や掘り下げて欲しいところ等あればお気軽にコメントやお問い合わせください、それでは!

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