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歴史

歴史の授業を学校でやる理由

投稿日:2018年11月28日 更新日:

ご無沙汰してます。

 

ちょっとここ最近バタバタしておりましたm(__)m

 

今回はこちらの続き。

関連記事:そもそも歴史とは何か 歴史を学ぶ理性的メリット

 

↑の記事もだいぶ加筆修正したので良かったらお読みください。

 

 

かの記事では歴史を学ぶメリットとして

 

  • 歴史観や時代の相対化によるメタ認知力の強化
  • 論理力が上がる
  • 抽象度が上がる

 

の3つを挙げました。

 

今回はなぜ公教育で歴史が教えられるかについて書いていきます。

 

そもそもなぜ学校で歴史を教えるのか

 

なぜでしょう。

 

国語はわかる。英語もわかる。算数・数学もまあある程度はわかる。

化学・物理・生物。

地理、公民。どれも今の社会に直結するからわかる。

 

では歴史は?

「今の社会に直結する」が理由であれば、日本史も世界史も近現代のみ学べば十分なはず。

(実際は全くそんなことありませんが)

 

にもかかわらず、ほとんどの国が公立学校での歴史教育を取り入れている。

その一番大きな理由は何か。

 

人類の辿った素晴らしい足跡を学ぶためでも、先人が侵した過ちを繰り返さないようにするためでもありません。

 

強い国民国家を作るためです。(国民国家については後述)

 

 

「国家=国王の持ち物」の終焉

 

グローバリズム vs. ナショナリズムの様相を呈する現代における重要課題のひとつ、国家。

 

この(近代)国家という枠組みができたのにはきっかけがあります。

 

あるイベントが起こるまで国家(state)は、国王の私有物でした。

英語で国や州を意味するstateは、財産・私有地を意味するestateと語源が同じ。

 

つまり領土も領民も、国王の持ち物だったのです。

18世紀末までは。

 

これが一変するのが、国王ルイ16世をギロチンで処刑してしまったフランス革命。

 

 

Stateとしてまとまる理由である「所有者」が消えた。

ヨーロッパの周辺諸国は、君主制廃止の波及を止めるため新生フランスを潰そうとします。

 

追い詰められた彼らですが、共通の敵が出来るとまとまるのが人間の性。

ここで発明されたのが国民という概念です。

 

フランス国民はフランスという共同体を守るために戦え。死んだら名誉を称えて祀る。

 

日本でいう靖国神社、米国でいうアーリントン墓地ですが、世界で一番最初に始めたのはフランスでした。

 

 

国民軍の強さ

 

この徴兵された国民軍が強い強い。戦術的天才ナポレオンの手腕も手伝って、(自分が食うために戦ってる)傭兵がメインの諸外国をバッタバッタとなぎ倒していきます。

共同体の維持(もしくは拡大)のために死を恐れず戦う兵士と、忠誠心の低いフリーランス軍人。

 

他が同じ条件であればどちらが強いかは小学生でもわかること。

 

ナポレオンの強さを分析した、世界で最も有名な軍事学者クラウゼヴィッツも戦争における士気の重要性を折に触れて強調しています。

 

快進撃を続ける国民軍の強さに気付いた諸外国は、自分たちもこのシステムを取り入れることにしました。

 

「共通の敵が出来ればまとまる」きっかけを、今度はフランスが与えてしまった。

 

圧倒的強さを誇ったナポレオン率いるフランス軍も、徐々にその差を詰められ、最終的にはワーテルローの戦いで敗北。

 

ナポレオンはセントヘレナ島へ流されました。

 

ここまでの話で気付いたかも知れません。

 

戦争に強い。

 

それが近代国家が生まれ、広まった最大の理由です。

 

「軍事力を持たない平和国家」などという奇怪なものはこの世に存在しません。

 

 

国民国家

 

同じ領土、同じ国語、同じ歴史を共有する国民の国家。

 

それが国民国家です。

 

これらの共有度が高ければ高いほど、経済的にも軍事的にも強い国ができやすい。

 

これまた気付いた方もいるかも知れませんが、日本は地理的条件も手伝って世界でまれに見る完成された国民国家です。

 

軍事的には日露戦争というジャイアントキリング、

経済的には、明治維新~高度経済成長期に至るまで奇跡の成長を成し遂げました。

 

あまり知られていませんが、日本は戦後だけではなく戦前の経済成長も凄まじかった。

 

明治維新から第二次世界大戦前までの70年間で実質GNPで約6倍、実質鉱工業生産で約30倍、実質農業生産で約3倍の伸びを記録しています。

 

そして経済力は軍事力に転換可能。

兵器も資本集約化している現代では特にそうなのは、米中両国を見ればわかる通り。

中国は反日ナショナリズムと中華民族ナショナリズムを用いて。

米国は自由と民主主義というイデオロギーを旗印にして。

 

人工的に国民国家を作ろうとしているor作っている。

 

これに一役も二役も買うのが歴史教育です。

 

 

歴史と領土

 

島国の感覚ではわかりにくいですが、近代以前は大陸国の領土は非常に流動的でした。

 

国境付近であれば、100年前はA国だったが200年前はB国などということがよくあります。

仏独でいうと、仏アルザス・ロレーヌ(独エルザ・ロートリンゲン)地方。

 

 

日本でたとえると、竹島→独島→竹島→独島→…みたいなことになってる土地です。

 

国民国家としては、『何千年も前から○○人みんな仲良く暮らしてました』としたいのですが、当然そんな訳はない。

 

にもかかわらず基本的にどこの国も、自分に都合の良い自国マンセー解釈をするので、隣国同士の歴史観はぶつかることが多い。

 

ちなみに日本は例外的に1945年以降いわゆる自虐史観方針でやってきましたが、それでもチャイナコリアとぶつかるという不思議な現象が起きています。

 

 

戦のための国民国家

 

当然ですがこうした経緯で生まれた近代国民国家同士が戦争をすれば、その烈度はすさまじいものになります。

 

2つの世界大戦であれほど多くの死者が出たのは、飛行機や戦車、毒ガスなどの新テクノロジーだけが要因ではなく、それに加えて国民国家同士の総力戦になってしまったからです。

 

しかしそれでも、EUを見てわかる通り国家より「マシな」統治の枠組みが今のところ見つかっていません。

 

イギリスのEU離脱やドイツの保守政党AfDの躍進、米トランプ大統領当選などを見る限りでは、国民国家の枠組みはしばらく続くように思えます。

 

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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平成元年生まれ男。

4tトラックに左足を潰されしばらく体を動かせなくなる。

時間が余りまくったため、心理学・脳科学・世界史・日本史・宗教・神話・哲学・国際政治・地政学等を学ぶ。

現在はポーカーからゲーム理論に入り、いわゆる理数系ジャンルも少しずつ勉強中。

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