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モンゴル

モンゴル人の相撲取りが強い文化的理由

投稿日:2018年3月5日 更新日:

貴乃花親方VS日本相撲協会のバトルが「日馬富士問題」を発端に続いています。

 

日本相撲の横綱は2017年3月稀勢の里関が昇進するまで、引退した日馬富士を含め10年以上モンゴル人力士に独占されていました。

(朝青龍、白鵬関、日馬富士、鶴竜関)

 

モンゴル国の面積は日本の4倍近くありますが、人口は300万人台。

その中からこれだけ多くの横綱を輩出しているからには何か理由があるはず。

この記事ではそれを文化的背景から見てみます。

 

「モンゴル」の歴史初登場

 

モンゴルという名前が歴史に初めて登場したのは7世紀、「蒙兀(もうごつ)」という名前で漢文史料に出てきます。

 

今モンゴル草原と呼ばれている地域には古代から多くの遊牧部族が存在し、モンゴルはその中のひとつだった。

 

“モンゴル帝国”とは、モンゴル族が全域を支配したわけではなく、君主となったチンギス・ハーンがモンゴル族から出たためそれ以降定着したもの。

 

古代チャイナ史でモンゴル草原に現れる匈奴(きょうど)・鮮卑(せんぴ)などの遊牧帝国も同じ。

 

紀元前1世紀の漢の歴史書「史記」は、それら遊牧騎馬民が

 

平和な時には家畜について歩き、戦争の時には全員が兵士となった

 

としています。

 

 

モンゴルの男と女

 

格闘は男子たるものの必要条件。

この考えは脈々と受け継がれているようで、知り合いのモンゴル人留学生にも尋ねたところ

モンゴルでは男だったら相撲は全員やるものだそうです。

さらにいうとモンゴルでは、インテリ女子は肉体派男子とくっつく傾向が強い。

モンゴルでは男の子より女の子の教育に力を入れるというので、それも要因のひとつ。

 

実際私がウランバートルに行った時の印象では

 

道行くティーンエイジャーでメガネをかけている、および歯列矯正が入ってる子の比率は

両者とも圧倒的に女子のほうが高かった。

 

興味本位で入ったヴィーガンレストランで同席したモンゴル人女性も、2年間Universityで英語を学んだそうでとても綺麗な英語を操り

彼女の妹は現在大学の博士課程で日本語を学んでいるという。

 

英語が通じる、流ちょうに喋れる人も、私が接した中では女性のほうが多かったです。

 

朝青龍の両親も、父はトラック運転手・母は国立大学卒。

白鵬関の両親は、父はモンゴルレスリング界の英雄(非大卒)で母は女医。

 

遊牧騎馬民における財産権は女が握っており、古くは自分の軍隊まで持つ女性もいました。

これもモンゴル人の友人に聞いたことですが、モンゴルの女性はとても気が強いそうです。

 

ウランバートルで、男性ドライバーと彼にひかれそうになった?カップルが口論しているのを目撃しましたが、女の子も含め3人そろって凄まじい剣幕でした。

 

インテリで気が強い女性が好きな方はモンゴルへどうぞ。笑

ちなみに美人、グラマラスな女性、ともに多いです。

 

 

実力>長幼の序

 

さて冒頭で挙げました「日馬富士問題」で、貴ノ岩関のとった無礼な態度に日馬富士が激怒したという話ですが、本来モンゴル人は“長幼の序”より実力を重んじる。

 

東は朝鮮半島から西は東ヨーロッパまで到達した史上最強のモンゴル帝国ですが

遊牧騎馬民の征服戦争参加者は、馬やら武器やら兵隊やら食糧やらを自分で用意せねばなりません。

 

勝ったあかつきには、株式会社のごとくそれらの”出資高”に応じて「戦利品」の何割かを分配され財産が大幅にふえますが、負けたら丸損です。

 

よって自分たちが仕えている指揮官が無能であった場合、すぐに離散して新しい優秀なボスを探す。

 

また普段の遊牧生活では、遊牧民は世帯ごとに遠く離れた場所にいる。

近すぎるとお互いの家畜がすぐ草原の草を食べつくしてしまうためです。

 

少なくとも数十頭以上の動物を率いながら、孤立した環境で他人に頼らず的確な判断をせねばならない。

 

そのため

「とりあえず周りにあわせる」という感覚はない。

年長者であろうが能力の乏しい者の言葉を参考にする余裕もない。

貴ノ岩関のとった態度に日馬富士は”横綱”という実力者への敬意の欠如を感じた。

これも激怒の理由になっていると私は考えています。

 

もちろんモンゴル人が年長者を全く重んじないというわけではありませんし、日本滞在期間も長いので長幼の序的なところもあるでしょうが。

 

 

朝青龍・ダグワドルジ

 

1992年モンゴル人として初めて相撲部屋に入門したひとり、旭鷲山(きょくしゅうざん)と朝青龍の間で2003年にいさかいがありました。

 

まげつかみ事件ってやつです。興味がある人はこちら↓

https://www.jiji.com/jc/v2?id=20100204asasyou_03

いまだに仲が悪いこの2人。

 

当時すでに朝青龍は横綱でしたが、大先輩の旭鷲山ははるか格下平幕力士。

若かろうが後輩だろうが横綱は偉い。

 

モンゴル研究家の松田忠徳氏は、「旭鷲山が横綱としての敬意を払わなかったことが朝青龍を怒らせたのではないか」としています。

 

朝青龍は、本人は意識していないでしょうがとくに”実力>年齢”の考えと”周りに合わせない”が強い。

 

国民皆兵ならぬ国民皆格闘男子。

異性からのモテを含めそれを称揚する文化。

実力主義。個人主義(チームスポーツはふるわない)

 

以上がモンゴル人力士の強さの文化的要因です。

 

↑彼らのストリートバスケ。日本人のようなパス回しはせず

ガンガン自分で決めにいくスタイル。

 

ただこの話を外国人のチームメイトがいる知人にしたところ

 

『逆にあんなにパス回しするの日本人くらい。ドライブ※とかシュートにいかないと「やる気ねーのか」って言われる』という。

※ドリブルで切り込むこと

 

スポーツ以外の場面でも、やる気ないと思われてる時があるかも知れません。

 

 

文化の違い

 

彼らは見た目は似ていても、日本とは真逆の文化をもつ外国人であることがおわかりいただけたかと思います。

(変なニュアンスはありません)

 

外国人の言動・振る舞いで理解出来ないことがある時は、日本の常識だけで見るのではなく相手の文化を調べてみる。

 

そうした上でこちらの立場も主張していくのが、成熟した人間関係・国際関係ではないでしょうか。

 

今回は以上です。

 

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ブログの趣旨がよくわからないという方はこちら↓をお読みください。 

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今まで知らなかったことに興味を持って頂けたなら嬉しいです。 

 

それでは! 

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運営者:やまてつ

平成元年生まれ男。

4tトラックに左足を潰されしばらく体を動かせなくなる。

時間が余りまくったため、心理学・脳科学・世界史・日本史・宗教・神話・哲学・国際政治・地政学等を学ぶ。

2019年5月から8月にかけて中華人民共和国→モンゴル→ロシア→ポーランド→チェコ→スロバキア→ハンガリー→オーストリア→イタリア→ギリシャ→トルコをおもに陸づたいで放浪。

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現在は名古屋にいます。

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