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戦略

あらゆるジャンルに応用可能な、理解しておきたい戦略と戦術の違い

投稿日:2018年2月5日 更新日:

この記事では、区別がつくだけで計画・学習・行動のが変わる戦略と戦術の違い、及び戦略の原則について書いています。

 

戦略と戦術

 

戦略という言葉は、「わが社の経営戦略」「価格戦略の重要性」「現役合格のための入試戦略」「サッカーのゲームメイク戦略」など、さまざまな分野で使われていますが

本来ちがう意味である戦術と混同されていることが多いです。

 

この戦略(英strategy)なる用語、見てわかる通り軍事用語で定義は戦略家の数だけあると言っても過言ではないのですが、ここでは戦略と戦術という大まかな区分についてだけお話します。

 

strategyは古代ギリシャ語のストラテゴス(将軍)やストラテジカ(将軍(の治める土地))などが語源です。

定義があいまいなまま長い間使われていましたが、18世紀に西洋で「将軍の使う術」を表すようになりました。

対する戦術(英tactics)は「兵士の術」

 

つまり戦略は将軍などのトップ(に近い人たち)が使うもの

戦術は兵士=実際に現場で戦う人の使うものであって、両者はまったくの別物です。

 

 

長期・犠牲不可避・抽象的

 

戦略=戦争に勝つためのもの

長期スパン・スケール大きい・犠牲不可避・抽象度高い

戦術=戦闘に勝つためのもの

短期・スケール小さい・全員救出可能・抽象度低い

 

※ちなみに戦争は勝つことが最終目的ではありませんがそれはまた記事にします。

 

はじめに挙げた例でいうと

経営戦略は戦略

価格戦略・ゲームメイク戦略は戦術

入試戦略は戦術的なこと(テクニカルな勉強法など)が多いですが、

脳に良い食品を中心とした食事をとる・睡眠の質を上げるなどの長期的取り組みをしているのであれば、戦略といえます。

 

ここで強調しておきたいのが、赤字で書きました犠牲を伴う

 

たとえばあなたが10人程度の部隊を率いて任務を遂行しているとします。

このスケールであれば、自分が上手く指揮をとって全員助かるという道もある。

 

しかしそれが1万人規模となると、その内のいくらかは必ず犠牲になります。

 

下手すると200人300人バンバン死ぬ。

 

有名な例をひとつ。偉大な指導者として名高い、第二次大戦時イギリスの首相ウインストン・チャーチル。

英国は1940年11月、ドイツ軍の暗号『エニグマ』を見事解読。独軍は同月11月14日に、ロンドン北西の都市コヴェントリーを空爆する予定であることが判明。

 

チャーチルは市民を避難させると思いきやその情報を無視。

チャーチルはコヴェントリーを失うことより、イギリスによる暗号解読を悟られることを恐れたためです。

 

空爆は予定通り実行、多数の被害が出ました。

それでもこれは正しい判断とされ、彼は英雄となっています。

(イギリスの放送局BBCは、空爆予定地がコヴェントリーとまでは突き止めていなかったとしている)

 

彼の決断が倫理的にどうかはここでは触れません。

 

 

No Pain No Gain

 

より大きな勝利を得る(またはより大きな犠牲を防ぐ)ために、小さい犠牲・苦痛はやむを得ない。

 

当然この犠牲の絶対数はスケールが大きくなればなるほどそれに比例して大きくなる。

また戦略は長期的なものであるため、当初の計画と現実がズレることも珍しくない。

 

完璧主義だったり真面目すぎる人は、ついつい犠牲や計画とのズレに目がいってしまい(=抽象度が低い)なかなか前に進めません。

 

もちろん改善と修正はしていくべきで、だからこそ抽象度の上げ下ろし自在に出来る人間が一番強い。(私も精進中の身)

 

 

今取り組んでいるのはどっち?

 

自分が取り組んでいること・学んでいることが戦略なのか戦術なのか、

じっくり考えてみると、どちらかに偏っている場合が多いです。

 

とにかく資格をとろう、良いモノ作れば間違いなく売れると思っているとすれば戦術タイプで、資格をとってその先は?

「良いモノ」は誰にどうやって周知する?

 

まで考えるのが戦略です。

 

戦略から下ろしてくることが出来ればアイデアはいくつも浮かびます。

 

Apple社でいえば、スティーブ・ジョブズが創業時に掲げたビジョン『テクノロジーを介して何百万人の生活を変える』を実現するために、

 

(戦略)iCloudをはじめとするApple製品による囲い込み、ブランドイメージの発信など

 

(戦術)ビジョン・戦略に合致した製品開発、価格戦略など

 

に取り組んでいます。

戦術に大きなレバレッジを利かせられるので、戦略的な人・組織のほうが有利。

というか戦略がなかったら何のための戦術なのかわからない。

 

 

戦略の原則と日本人

 

関連記事:アメリカの自己啓発市場が日本の10倍である歴史的理由

 

↑こちらの記事でもお話した通り、現代日本人は現場もしくは現場に近いところ(=戦術)が得意で、戦略は苦手とされています。

 

SONYがウォークマンを先に開発するもiPodにシェアを完全に奪われたり、

ドコモのiMODEという画期的なアイデアがありながら、世界に出ていく戦略がなく後発のiTuneにこれまたシェアを奪われたり。

 

  1. 戦術的失敗は戦略でカバー出来るが、戦略的失敗(戦略がないも含め)は戦術では取り返せない。
  2. 戦術が強い者と戦略が強い者がぶつかった時は、戦略が強い者が勝つ
  3. 戦術「だけ」が強い者は、戦略が強い者にコントロールされる

 

これらの原則は軍事以外にも当てはまります。

 

しかし逆に言うと、戦術が強いということは、戦略も強くなれば相当レバレッジが利く。

刃牙風にいうと武蔵に刀。

 

「現代日本人は」戦略が苦手という言い回しをしたのは、世界三大戦略家のひとりエドワード・ルトワック氏が

 

『日本人は戦略下手どころか、極めて高度な戦略文化を持っていると考えている』

 

と明言しているように、飛鳥・奈良時代~明治時代までの外交やインテリジェンス工作を鑑みるにもともと戦略下手とは思えないからです。

 

ちなみに氏いわく、徳川家康は世界史上屈指の戦略家だそうです。

 

それでは最後に話題の日本企業の、戦術と戦略を表したツイートを貼ってこの記事の締めとします。

 

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ブログの趣旨がよくわからないという方はこちら↓をお読みください。 

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今まで知らなかったことに興味を持って頂けたなら嬉しいです。 

 

それでは! 

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平成元年生まれ男。

4tトラックに左足を潰されしばらく体を動かせなくなる。

時間が余りまくったため、心理学・脳科学・世界史・日本史・宗教・神話・哲学・国際政治・地政学等を学ぶ。

2019年5月から8月にかけて中華人民共和国→モンゴル→ロシア→ポーランド→チェコ→スロバキア→ハンガリー→オーストリア→イタリア→ギリシャ→トルコをおもに陸づたいで放浪。

旅日記↓

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現在は名古屋にいます。

連絡先:tyamadasan410@gmail.com