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China

万里の長城の北が”中国”になるまで

投稿日:2019年4月18日 更新日:

中華人民共和国に現存する説明不要の巨大遺跡、万里の長城。

 

その北は、吉林・遼寧・黒龍江の3省と、内モンゴル自治区となっています。

 

ここがいつから“中国”になったかについてこの記事では書いています。

 

“中国”とは何か

 

何気なく使っているこの”中国”という言葉ですが、まずその意味を初登場からひとつずつ見てみます。

 

“中国”の歴史初登場

孔子が編纂したとされる「詩経」(前6C末)にて、“中国”とは京師(首都)であるといっています。

 

漢字の「国」は、もともと城壁をめぐらした都を指す。

中国=まんなかの都なので首都。

 

“中国”と蛮夷

“中国”初の歴史書「史記」(前91?)いわく、『天下の名山は8つあり、その内3つは蛮夷にあるが、5つは中国にある』

 

天下=人間の住む世界で、蛮夷は”中国”の住民とは生活習慣の異なる人々およびその居住地域。

 

夏(前1900頃~前1600頃?)、殷(前17C頃~前1046)、周(前1046~前256)から都のあった陝西省、河南省、山東省の限られた地域を”中国”や中原と呼んでいたようです。

上記の五山もこの範囲。

 

 

皇帝を頂点とする一大商業組織”中国”

戦国時代の秦王は、戦国七雄の他の六国をことごとく滅ぼし、史上初めて皇帝を名乗る(始皇帝)

 

かつて「国」とよばれた都市は「県」となり、国家財政と宮廷財政の区別のない当時は、市場の入場料、特産品にかかる税、国内各地の関所の関税などは皇帝の収入に。

 

また皇帝直営の工場も多くあり、外国貿易をする商人に資本や商品の貸し付けも行っていました(当然利息付き)。

 

要するに皇帝はビルゲイツも真っ青の超資本家。

 

↑のちの超資本家

 

歴史家の故岡田英弘氏は、「県を支社・支店として営利事業を営む社長が皇帝で、その営業範囲が”天下”=”中国”」としています。

 

 

満洲とは何か

 

明の時代、造られた理由を考えればわかりますが万里の長城の北は異民族の地。

 

そこにはジュシェンなる狩猟民族が住んでいました。

一部族長ヌルハチは、1616年ジュシェン種族を統一し後金国を建国。

これより前ヌルハチの勢力圏は「マンジュ・グルン」と呼ばれており、グルンは国を意味し、マンジュを漢字にしたものが満洲

 

ヌルハチの孫が、清王朝(1644~1912)にて最初に北京の玉座についた順治帝です。

 

 

満洲人が拡大した”中国”

 

1644年、明王朝が滅び統治者のいなくなった”中国”北京の玉座に、ヌルハチの孫・順治帝がついた。

 

こうして統治された”満洲”と”中国”をひっくるめて、満州語で「ドゥリンバイ・グルン」といい、ドゥリンバは『まんなか』、イは『の』、グルンは『国』。

漢字で“中国”

 

ちなみに満州語はいわゆる中国語とは全くの別言語で、縦書きアルファベット。

 

 

そしてモンゴルやチベット、トルコ語を話すイスラム教徒は「トゥレルギ」(外)と総称され、漢字では「外藩」と書きました。←重要

 

 

“China”と”支那”

 

ところ変わって日本。

 

日本では”中国”のことをずっと「漢土」「唐土」と滅びた国名で呼んでおり、かの地を王朝を超えて指す言葉はありませんでした。

 

1708年日本に密入国したイタリア人宣教師シドッチを新井白石が尋問した際、ヨーロッパ人は唐土をチーナといっていることが判明。

 

これは始皇帝の「秦」から生じた言葉。

 

白石は古い漢訳仏典(大蔵経)から、“支那(シナ)”と音訳されているものを探し出し、以降Chinaなどの訳語として”支那”が定着した。

つまり一般的に認識されている今のニュアンスとは違い、もともとは差別用語ではありません。

 

 

中国人が中国人を自称し始めた時

 

1895年日清戦争で敗れた清国は、日本を手本として西洋化に乗り出すため大量の留学生を来日させました。

 

留学生たちは、日本人が自分たちの故郷を”支那”と呼んでいることを知り、それに従い”支那人”と名乗り始める。

 

しかし表意文字の漢字としては”支”(庶子、庶流)も”那”(あれ)も雅でない。

そこで”中国”の意味を拡張し、全国の呼称として用いるようになった。

 

 

こうして万里の長城の北は”中国”になりました。

 

 

チベット・ウイグル・台湾の”中国”化を止められるかどうか。日本にとっての死活問題です。

 

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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4tトラックに左足を潰されしばらく体を動かせなくなる。

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