感性を見つめる×ちゃんと考える

感性=縦軸(生物としての特性、歴史、遺伝、経験)×横軸(時代、文化、社会)。感性を大切にしつつそれだけに身をゆだねない。5月からユーラシア大陸放浪

歴史

元号の起源と世界史的意味

投稿日:2019年4月2日 更新日:

西暦2019年4月1日、新元号は令和と発表されました。

 

年が明ける前から話題になっていたこのトピックですが、この記事ではそもそも元号とは何かについてお話します。

 

※この記事で「China(シナ)」という単語が出てきますが、これは今の中国とは領域も、時に支配民族も異なる様々な王朝が勃興した、かの地を指します。決して侮蔑的な意味はありません。たとえば話題のウイグルやチベットは「China(シナ)」ではありません。

 

元号の始まりは漢の武帝

 

漢字を二字、めでたい意味を表すように連ねた「元号」の最初は、前漢王朝(前206~後8年)の武帝(在位前141~87年)の時。

彼はモンゴル高原の遊牧帝国匈奴の圧力を押し返し、朝鮮半島など当時の東アジア世界をほぼ征服

それを機会に紀元前110年、聖山として名高い泰山(現山東省)に行幸、皇帝自ら天地を祭る封禅の儀を行い、元号を元封とした。

 

その少し前に、遡って統治初年を建元としたのが元号の始まりです。

 

 

空間と時間の支配者

 

これは皇帝は空間(天下)の支配者であると同時に、時間の支配者でもあることの宣言となりました。

 

中華皇帝は、今のベトナムやモンゴル、朝鮮などに「うちの元号を使え」と強制する。

皇帝が空間と時間を支配するのだから、他の民族の王も同じ元号を使わなければならないとするロジックです。

 

 

古代における、中華帝国以外が独自の元号を使う意味

 

これに対し、他の国が独自の元号を持つのは、皇帝の権威を否認し中華王朝と対等であると主張する意味がありました。

 

現中国東北部から北朝鮮にかけてまたがっていた高句麗の広開土王は4世紀末、永楽なる独自元号を用いました。

 

当時のChina(シナ)は、遊牧民族が建てた国が群雄割拠する五胡十六国時代というリアル世紀末。

まとまったパワーになっていないところを見計らって独自元号に踏み切ったものと思われます。

 

ベトナムは、China(シナ)の北宋が狩猟民・女直族の金国に倒される(1127年)と同時に元号を使い出し、ベトナム王は代々「皇帝」を自称しました。

 

東アジアで「王」と名乗ると皇帝の下になってしまうからです。

 

 

日本の元号使用とアイデンティティ

 

日本の最初の元号は大化となっています。

時は645年。

 

この後663年白村江の戦いで、唐・新羅連合軍に大敗を喫した日本(唐からすると「倭国」)。

 

日本と関係の良かった百済が滅び、朝鮮半島が丸ごと敵性化したことにより中華帝国との緩衝地帯(バッファーゾーン)が消滅。

 

当時の唐は、モンゴル高原の突厥をも影響下においており、日本人(倭人)の知る限りの「全世界」を支配してしまいました。

 

安全保障上逼迫した状況となり、北九州沿岸に防人を配備、瀬戸内海沿いの西日本各地に山城を築き、都を難波から内陸の大津に移す。

いかに危機感を抱いていたかがわかります。

こういった事情を知ったうえで防人歌を読むと、非常に複雑な心境になります。

 

国内では独自元号や新国号(倭国ではなく「日本」)、新王号(倭王ではなく「天皇」)を使えるものの、その状況で外国に使ってしまっては外交問題では済まない。

 

「日本」という国号が初めて大陸の史料に登場するのは、702年の旧唐書においてでした。

 

日本が対外的に日本になったタイミングです。

 

 

改元と一世一元

 

もともと改元は一世一元(一君主一元号)ではありません。

君主の即位年を元年とするものの、極端に良い知らせ(縁起の良い雲を発見した)や悪い知らせ(天災や疫病)があった時にリセット改元することがよくありました。

 

一世一元を始めたのは明王朝の創始者・洪武帝(在位1368~1398年)で、中華帝国は清朝が倒れるまでこの形をとりました。

日本において一世一元を採用したのは明治から。

理由は明らかではありませんが、明治維新という急激な改革における実務的な理由と、明治政府が強い国民国家を作る求心力のひとつとして天皇に重きを置いていたことが関係しているように思えます。

 

関連記事:歴史の授業を学校でやる理由

 

令和時代

 

新元号の典拠については、他の人たちがバトりながら説明してくれているのでここでは触れません。

 

平成世代がある種のノリを「昭和」と呼んでいたように、令和世代が「平成ノリ」と言う時代が来てまたその次もと考えると、平家物語の序文を思い出す。

 

2020年東京五輪、中国の地政経済学的台頭、人工知能が人間を超えるとされる2045年問題……

 

 

色々ありそうですが、和を以って安寧の時代になることを祈ります。

 

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ブログの趣旨がよくわからないという方はこちら↓をお読みください。 

 このブログで伝えたいこと

 

今まで知らなかったことに興味を持って頂けたなら嬉しいです。 

 

質問や感想等お気軽にご連絡ください!

すべて読んだうえで100%返信しております。

 

連絡先:tyamadasan410@gmail.com

 

検索

検索

-歴史
-, , , , ,


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

そもそも歴史とは何か 歴史を学ぶ理性的メリット

  「歴史」という言葉を聞いた時、思い浮かべるもの   エジプトのピラミッド・三国志・江戸時代 歴史マンガ・ゲーム・時代劇 中学高校の退屈な授業・苦痛な暗記 ニュースでとり上げられ …

歴史の授業を学校でやる理由

ご無沙汰してます。   ちょっとここ最近バタバタしておりましたm(__)m   今回はこちらの続き。 関連記事:そもそも歴史とは何か 歴史を学ぶ理性的メリット   ↑の記 …

運営者

 

運営者:YT
平成元年生まれ男。

4tトラックに左足を潰されしばらく体を動かせなくなる。

時間が余りまくったため、心理学・脳科学・世界史・日本史・宗教・神話・哲学・国際政治・地政学等を学ぶ。

現在はポーカーからゲーム理論に入り、いわゆる理数系ジャンルも少しずつ勉強中。

5月からユーラシア大陸放浪。

連絡先:tyamadasan410@gmail.com